シャワーの止水栓が固着して回らないという状況は、水漏れ修理やシャワーのメンテナンス時に非常に困るものです。なぜ止水栓は固着してしまうのでしょうか。その主な原因は、時間の経過による内部部品の劣化と、水に含まれるミネラル分やサビの蓄積にあります。止水栓は、普段あまり操作しないため、一度固着すると動きにくくなる傾向が強く、無理に動かそうとすると破損のリスクも高まります。 止水栓の内部には、水量を調整したり止水したりするための弁やパッキンが組み込まれています。これらの部品が経年劣化により硬化したり、サビが発生したりすると、弁の動きがスムーズでなくなり、ハンドルやドライバーが回らなくなってしまいます。また、水道水に含まれるカルシウムなどのミネラル分が固着し、石灰化することで、弁が動きにくくなることもよくあります。特に、水の硬度が高い地域ではこの傾向が顕著に見られます。 固着した止水栓を解決するための策として、まずは「浸透潤滑剤の活用」が有効です。止水栓の根元や可動部に少量吹き付け、数十分から数時間放置することで、サビや固着したミネラル分が緩み、動きやすくなる可能性があります。その後、モンキーレンチなどの工具を使い、タオルなどで保護しながら、ゆっくりと力を加えて回してみましょう。決して力任せに回すのではなく、固着が解けるような感覚を意識しながら慎重に作業を進めることが大切です。左右に小刻みに動かしてみるのも効果的です。 もう一つの解決策は、「温める」という方法です。止水栓の金属部分をドライヤーなどで軽く温めることで、金属が膨張し、固着した部分の隙間が広がることで動きやすくなることがあります。ただし、プラスチック製の部品がある場合は、熱による変形や破損のリスクがあるため注意が必要です。また、過度に加熱すると火傷の危険もあるため、慎重に行ってください。 これらの対処法を試しても改善が見られない場合や、作業中に異変を感じた場合は、無理せずに専門業者に相談しましょう。固着した止水栓を無理に操作し続けると、配管の破損や水漏れといった二次被害に繋がりかねません。特に賃貸物件の場合は、事前に管理会社や大家さんに連絡し、専門業者を手配してもらうのが最も安全で確実な方法です。日頃から止水栓を定期的に開閉する習慣をつけることで、固着を未然に防ぐことができます。