洗濯機の排水口は、普段あまり意識しない場所ですが、その位置やタイプを知ることは、トラブル発生時の対処や日頃のメンテナンスにおいて非常に重要です。一口に「排水口」といっても、設置されている場所や形状にはいくつかの種類があります。ここでは、洗濯機の排水口のタイプ別の見つけ方と、それぞれの役割について解説します。洗濯機の排水口は、大きく分けて「床排水口」と「壁排水口」の二種類があります。一つ目の「床排水口」は、洗濯機の下に設置されている「洗濯機パン(防水パン)」と呼ばれるプラスチック製の受け皿の中に埋め込まれているタイプです。多くの家庭でこのタイプが採用されています。洗濯機パンの中央や端に、丸いまたは四角い排水口が見つかるでしょう。この排水口には、通常、排水ホースを接続するためのL字型の「エルボ」と呼ばれる部品が差し込まれています。エルボを取り外すと、さらにその奥に「排水トラップ」と呼ばれるS字やP字に曲がった構造が見えます。この排水トラップには常に水(封水)が溜まっており、下水管からの悪臭や害虫の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。もし洗濯機パンに排水口が見当たらない場合は、洗濯機パンが排水口を覆うような特殊な構造になっている可能性もありますので、洗濯機を少し動かして確認する必要があります。二つ目の「壁排水口」は、洗濯機を設置するスペースの壁から直接排水管が突き出ているタイプです。この場合、洗濯機パンがないか、あっても排水口が壁側にあることが特徴です。壁から突き出た排水管に、直接排水ホースを差し込む形になります。壁排水口の場合も、排水管の内部には排水トラップが設置されており、封水の役割は同様に果たされています。壁から突き出ている排水管の先端には、ゴム製のキャップやカバーが付いていることが多く、これらを取り外すと排水口が見えます。それぞれのタイプで排水口の位置や見え方は異なりますが、共通しているのは「排水トラップ」という構造がある点です。この排水トラップが適切に機能しているかどうかが、悪臭や害虫侵入を防ぐ上で非常に重要となります。排水口の位置が分かれば、詰まりが発生した際に、まず目に見える範囲の汚れを取り除いたり、パイプクリーナーを投入したりといった初期対応を自分で行うことができます。
洗濯機の排水口はどこ?タイプ別の見つけ方と役割