ある年の冬、突然、我が家の給湯器がお湯を出さなくなりました。賃貸マンションに住む私にとって、これはまさに悪夢の始まりでした。最初は「ちょっとした故障だろう」と軽く考えていましたが、管理会社に連絡すると、「部品の取り寄せに時間がかかり、修理完了まで一週間はかかる」との返答。真冬にお湯が使えない生活は、想像以上に過酷でした。 最初は電気ケトルで沸かしたお湯を使い、体を拭く程度でしのいでいましたが、やはり温かいお風呂に入れないのは精神的にも肉体的にも限界です。幼い子供もいるため、風邪をひかせないかと心配でたまりませんでした。そこで、思い切って管理会社にホテル代の負担について相談してみることにしました。 管理会社からは、「原則として、設備故障によるホテル代の負担は難しい」との回答でした。しかし、私は子供がいて、一週間もお湯が使えないのは生活に著しい支障が出ること、そして、もし給湯器が即日修理可能であればホテルに泊まる必要はなかったことを丁寧に説明しました。また、修理期間が長期にわたることを考えると、自宅で過ごすのは非常に困難であることも訴えました。 粘り強く交渉した結果、管理会社は「今回は特別対応として、修理期間中の三日間分のホテル代を上限〇円まで負担します」という提案をしてくれました。全額ではありませんでしたが、一部でも負担してもらえることになり、心から感謝しました。すぐに近隣のビジネスホテルを予約し、久々にお湯の出るシャワーを浴びた時の安堵感は忘れられません。子供も温かいお風呂に入ることができ、私もようやくホッと一息つくことができました。 この経験から、賃貸物件での設備故障は、単なる修理の問題だけでなく、生活への影響や金銭的な負担も大きいということを痛感しました。そして、いざという時には、諦めずに状況を具体的に説明し、粘り強く交渉することの重要性も学びました。事前に契約内容を確認し、いざという時の対応策を考えておくことの大切さも身に染みて感じた出来事でした。
給湯器故障でホテル生活!ある入居者の苦悩